エステサロンの開業資金はいくら必要?金額や調達方法を詳しく解説
2023年5月31日
「エステサロンを開業したいけれど開業資金はどのくらい必要なの?」
「エステサロンの開業資金はどうやって調達すればいい?」
こんな風にお悩みではありませんか?
この記事では、開業スタイルごとに開業資金がどのくらい必要なのかを詳しく解説します。また調達方法はどうすればよいかについても紹介しますので最後までお読みください。
目次
エステサロンの開業スタイルと必要な資金
エステサロンを開業するためには、まず開業資金がどのくらい必要かを知ることが大切です。
エステサロンには以下の3つの開業スタイルがあり、それぞれ必要な資金が異なります。
- 自宅サロン:30万円~
- マンションサロン:150万円~
- テナントサロン:400万円~
※上記の開業資金には、業務用エステ機器の価格は含まない
ここでは、開業スタイルごとの資金と、資金の内訳を詳しく解説します。
なお、どのスタイルで開業するか悩んでいる方は、それぞれのメリット・デメリットも参考にしてください。
開業スタイル | 開業資金 | メリット | デメリット |
自宅サロン | 30万円~ |
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マンションサロン | 150万円~ |
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テナントサロン | 400万円~ |
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自宅サロンの開業資金:30万円~
自宅サロンの大きなメリットは、物件の契約金がかからないため開業資金を抑えられることです。開業資金は、3つの開業スタイルの中でもっとも安く約30万円~です。
開業資金の内訳を見ていきましょう。
【自宅サロン開業資金の内訳】
資金内訳 | 費用目安 |
家賃 | 0円 |
内装費 | 0~20万円 |
設備費用・消耗品 | 10万円~ |
広告宣伝費 | 5万円~ |
美容機器費用 | 0~数百万円
※オールハンドの場合は0円 |
運転資金
※固定費(光熱費、人件費など)の3~6ヶ月分 |
15万円~ |
計30万円~ |
自宅サロンでは、開業資金のうち大部分は「内装費」が占めています。内装は自宅サロンの開業でもっともこだわりたい部分です。エステサロンのお客様は非日常を求めて来店されるわけですから、生活感のあるサロンではゆっくりリラックスして施術を受けていただけません。
玄関や室内、トイレ、洗面所などのリフォームを行い生活感のない非日常空間が広がるような内装にしましょう。
また自宅サロンはマンションサロン、テナントサロンと比べ売上の規模が小さくなることから、必要な広告宣伝費が低くなる傾向にあります。
近所へのポスティングや、地域のフリーペーパーへの広告出稿で、15万円ほど用意しておくとよいでしょう。
マンションサロンの開業資金:150万円~
マンションサロンのメリットは、お客様が通いやすい立地を選べること、自宅とは離れた場所で公私をきちんと分けられることです。開業資金は、約150万円~です。
開業資金の内訳を見ていきましょう。
【マンションサロンの開業資金の内訳】
資金内訳 | 費用目安 |
家賃 | 10万円~ |
内装費 | 0~20万円 |
賃貸物件の契約金 | 50万円~ |
設備費用・消耗品 | 10万円~ |
広告宣伝費 | 30万円~ |
美容機器費用 | 0~数百万円
※オールハンドの場合は0円 |
運転資金
※固定費(家賃、光熱費、人件費など)の3~6ヶ月分 |
50万円~ |
計150万円~ |
マンションサロンが自宅サロンより開業資金が高額になるのは、賃貸物件契約時に契約金がかかるためです。また毎月の賃料が大きな負担になる可能性も。賃貸物件のため大がかりなリフォームは不可のことが多く、内装費は自宅サロンと変わりません。
テナントサロンの開業資金:400万円~
テナントサロンは高級感のあるエステサロンを作ることができ、顧客単価を上げることができます。
開業資金は3つのスタイルの中でもっとも高い400万円~です。
開業資金の内訳を見ていきましょう。
【テナントサロンの開業資金の内訳】
資金内訳 | 費用目安 |
家賃 | 20万円~ |
賃貸物件の契約金 | 100万円~ |
内装費 | 120万円~ |
設備費用・消耗品 | 10万円~ |
広告宣伝費 | 50万円~ |
美容機器費用 | 0~数百万円
※オールハンドの場合は0円 |
運転資金
※固定費(光熱費、人件費など)の3~6ヶ月分 |
100万円~ |
計400万円~ |
テナントサロンの開業資金は3つのスタイルの中でもっとも高額になります。なかでも大きいものは、賃貸物件の契約金と内装費です。
また人を雇ったり業務用エステ機器を導入したりする場合、費用はさらに高額となります。資金調達が不安な方は、融資や補助金・助成金の申請も視野に入れましょう。
エステサロン開業資金の調達方法
開業資金は主に以下の4つの方法で調達できます。
- 貯蓄でまかなう
- 借り入れを行う
- 補助金・助成金を利用する
- クラウドファンディングを利用する
順に見ていきましょう。
貯蓄で賄う
エステサロンの開業資金の調達方法でもっとも理想的なのは貯蓄(自己資金)で賄うことです。しかし開業資金を貯めることから始めていては、開業への道は遠のいてしまいます。
今のチャンスを逃したくなければ、他の方法で開業資金を調達する必要があります。
借り入れを行う
開業資金を借りる方法には、以下の2つがあります。
- 親族(家族)・知人などから借りる
- 金融機関で融資を受ける
順に見ていきましょう
親族(家族)・知人などから借りる
親族(家族)・知人から開業資金を借りる方法です。親族(家族)や知人と言っても、エステサロンの開業資金名目での借金を適切に対応・返済しないと贈与とみなされ贈与税が発生することがあります。
贈与とみなされないために借用書を作成し完済まで保管することが大切です。借用書には借入金や返済期間、利息などを記入し双方が記名捺印します。
金融機関から融資を受ける
銀行や信用金庫などの金融機関から融資を受ける方法です。
経営規模や借入金額にもよりますが、今まで付き合いのなかったメガバンクから融資を受けることはかなり難しいでしょう。
しかし地方銀行や信用金庫には、開業資金の融資を積極的に行っているところも。
また、100%政府出資の日本政策金融公庫には低金利で開業資金を借りられる創業時融資制度があります。
【例】女性、若者/シニア起業支援資金(日本政策金融公庫)
- 対象者:女性または35歳未満から55歳以上・新規事業を始めるまたは開業後7年以内の人
- 用途:開業資金(開業費など資産計上される資金を含む)
ただし、事業計画書を提出し審査に通らなければ融資してもらえません。
※詳しくはお近くの日本政策金融公庫にお問い合わせください。
補助金・助成金を利用する
エステサロン開業資金に、公的支援の補助金・助成金を利用する方法があります。
まず、補助金と助成金の違いを紹介します。
- 補助金:一般的に経済産業省や中小企業庁が管轄し、選考によって交付される
- 助成金:一般的に厚生労働省の管轄で、申請によって交付される
補助金も助成金も国や県、市町村などから支給されるお金のことです。公的な資金から交付されるものですから誰でも受け取れるわけではなく申請や審査が必要です。
助成金は要件を満たしていれば受給できる可能性が高く、補助金は審査に通らなければ受給されないことが多いようです。
エステサロン企業に使える補助金・助成金はいくつかあります。例を見てみましょう。
- 地域雇用開発助成金
- キャリアアップ助成金
- 両立支援助成金
- IT導入補助金
上記の補助金・助成金には、従業員数や地域、使用用途など細かい条件があります。
エステサロン開業で使える助成金・補助金を一覧で確認したい方は下記の記事もご覧ください。
関連記事:8割は知らないエステ開業で使える融資・助成金のオススメ
関連記事:エステサロンの開業に役立つ助成金・補助金8選|申し込みの注意点も紹介
クラウドファンディングを利用する
エステサロンの開業資金のためにクラウドファンディングを利用できます。
クラウドファンディングとは、近年増えてきている資金調達システムの一つで、一般的に支援者から支援金を募り、金額に応じたお返し(リターン)をする仕組みとなっています。
クラウドファンディングで開業資金の支援を募るにはオンライン上で、エステサロン開業に対する思いやコンセプトなどを発信します。共感してくれた不特定多数の人から少額ずつ支援を受けられるのです。
クラウドファンディングを活用した資金調達に興味があるのなら、まずは利用したいプラットフォームを決めましょう。
CAMPFIRE・Makuakeなどは国内利用者も多く、たくさんの人に出資を呼びかけることができます。
エステサロンの開業資金を抑える方法
エステサロンの開業資金を抑える方法には、次の3つがあります。
- 開業場所を見直す
- 居抜き物件で開業する
- 無料の集客方法を利用する
順に解説しましょう。
開業場所を見直す
想定よりも開業資金が高くなってしまった場合、開業場所を見直してみましょう。人通りが多く人気があるエリアでも、自分のサロンのお客様が通いにくければ意味がありません。場所によっては家賃が低く人気のないエリア(閑静な住宅街など)のほうがお客様にとって通いやすいこともあります。
物件の人気度ではなく、ターゲットによって物件を決めるようにしましょう。また家賃を抑えて人通りの多い場所に出店したい場合、ホテルやスポーツジム、商業施設の中などに場所を借りるのも一つの方法です。
居抜き物件で開業する
居抜き物件とは、前の物件利用者が施設や設備を残したまま退去した物件のことです。既存のものを利用できるので、内装費や設備費を節約でき、エステサロンの開業資金を抑えることができます。
万が一、事業廃止するときにも設備の廃棄費用や店内の復旧費用が掛からないこともお得なポイントです。
無料の集客方法を利用する
無料の集客方法を利用して、開業資金を抑える方法です。
集客方法にはクーポン広告などの高額な集客方法もありますが、Twitterやインスタグラム、FacebookなどのSNSを利用すれば、コストを大幅に削減することができるでしょう。
他にも、無料ホームページ作成サービスを利用してブログを運営するのも効果的な方法です。
たとえばペライチやJimdo、Wixなどは無料プランでも本格的なホームページを作成できます。
独自ドメインを使えない(無料サービスを使っていることが一目でわかってしまう)などのデメリットもありますが、経営が安定するまでの期間限定で使う分にはおすすめです。
また自宅兼店舗でネット上に情報を掲載したくない場合以外は、Googleビジネスプロフィール(旧Googleマイビジネス)の登録も必須です。Googleビジネスプロフィールとは、Googleの検索結果やGoogleマップ上に表示される店舗情報を、店舗が登録・管理できる無料サービスです。店舗の写真やサービスの写真を登録したり口コミに返信したりできます。
広告宣伝費を用意できない場合は、このような無料の集客方法も駆使してお客様を集めましょう。
エステサロンの開業資金や開業に関するよくある質問
エステサロンの開業に関するよくある質問を集めてみました。
順にご紹介します。
エステサロンの内装工事の費用相場はどれくらい?
自宅サロンとマンションサロンは20~30万円程度、テナントサロンは坪単価10~40万円程度です。しかし、内装費用はサロンの規模、内装のグレードや業者により大きく変わります。
セルフエステの開業資金はどれくらい?
合計で500~1,000万円ほどかかります。内訳はエステ機器代が100~300万円、内装費が300~500万円、物件取得費が100~300万円、諸経費が100万円程度です。フランチャイズに加盟すれば300万円程度の加盟金がプラスされます。
自宅サロンでも融資を受けられる?
個人で自宅サロンを開業する場合も融資を受けられます。
融資を通りやすくするには、事業計画書を丁寧に作成することや、ある程度の自己資金を用意することなどがあります。
自宅サロンの収入については、下記の記事をご覧ください。
関連記事:自宅サロンの成功事例と収入の現実|開業の失敗パターンと成功のポイントも解説
エステサロン開業が失敗する要因は?
失敗する原因の主なものは、以下の4つです。
- 初期費用をかけすぎて資金繰りが苦しい
- コンセプトやターゲットがあいまいなため集客できない
- 集客手段が確立していないため集客できない
- リピート率が低い
とくに集客で失敗するケースが多く、コンセプトやターゲットを絞り集客手段を確立することが重要です。
エステティシャンとして独立をお考えなら、ぜひ下記の記事もご覧ください。
関連記事:エステサロン独立・開業の現実!想定年収や開業手順・成功のコツを解説
エステサロン経営者の年収はどれくらい?
エステサロン経営者の年収は、200万円以下の人から数億円稼ぐ人までピンからキリまでです。経営規模にもよりますが300万円から500万円程度の年収となる人が多いようです。
エステサロン開業に資格は必要?
エステサロンの開業に資格は必要ありません。エステティシャンに公的資格はないのです。ですからそれまで全くエステサロンとは縁のなかった人でも開業できます。
関連記事:エステサロンの開業に資格は不要!あると有利な資格と費用を解説
エステサロンの開業資金は工夫次第で抑えられる
エステサロンの開業資金は、開業スタイルや開業場所、内装費、設備費などで大きく変わります。自宅サロンで30万円~、マンションサロンでは150万円~、テナントサロンでは400万円~かかり、さらに必要なら美容機器代がプラスされます。しかし、開業場所を見直したり、低額でできる集客方法を使ったり工夫次第で開業資金は大きく抑えられます。
エステサロンは、公的資格もいらずやる気があれば誰でも開業できます。けれども、初めてのエステサロン経営は難しいことも多いでしょう。
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