エステサロンの客単価の考え方と全国の平均単価|客単価を上げる方法も解説
2023年6月2日
「エステサロンの客単価はどうやって計算するの?」
「エステサロンの客単価は平均いくらくらい?」」
エステサロンを経営する方で、このような疑問をお持ちの方は多いはずです。経営の安定とエステサロンの長期的な存続を望むのであれば、客単価の把握は欠かせません。客単価の増減は、エステサロンの売上に関わってくるからです。
この記事では、エステサロンの客単価の計算方法や全国の平均単価について紹介します。客単価を上げる方法についても解説しますのでぜひ最後までご覧ください。
目次
エステサロンの客単価とは?売上アップに欠かせない理由
まずはエステサロンの客単価とは何なのか、下記2つの項目から見ていきましょう。
- エステサロンの客単価の考え方
- エステサロンの客単価と時間単価の違い
それぞれ詳しく紹介します。
エステサロンの客単価の考え方
客単価とは、1回あたりの来店で顧客一人が支払う平均金額のことです。エステサロンの売上全体を、来店客数で割って算出します。
たとえば売上100万円、来店客数80人の場合の客単価は12.500円です。
■1,000,000(売上)÷80(客数)=12,500(客単価)
しかし、客数が同じでも、客単価が8,000円まで下がると1カ月の売上は64万円まで低下します。
■80(客数)×8,000円(客単価)=640,000円
1日あたりのサービス提供にかかる時間は変わりませんが、客単価が4,500円下がるだけで売上は36万円も低下してしまうのです。
エステサロンはマンツーマンでサービスを提供する特性から、お客様の人数を増やす点においては限界があります。そのため客単価を上げることが、売上アップにつながってくるのです。
エステサロンの客単価と時間単価の違い
エステサロンの客単価と時間単価の違いは、算出方法や考え方にあります。
客単価が「売上全体を来客数で割り、1回あたりの来店で顧客一人が支払う平均金額を算出する」のに対し、時間単価は「売上全体を営業時間で割って算出」します。
時間単価とは、1時間あたりの単価、いわゆる時給のことです。
同じ売上であっても営業時間・営業日数で、時間単価は変わってきます。
たとえば同じ売上で営業時間・営業日数が異なると、時間単価にどのくらい差が生まれるのか算出してみましょう。
- サロンA:1日の営業時間7時間・週休2日
- 1,000,000(売上)÷154時間(営業時間)=6,494円(時間単価)
- サロンB:1日の営業時間9時間・週休1日
- 1,000,000(売上)÷234時間(営業時間)=4,274円(時間単価)
このようにサロンAとBでは、同じ売上であっても時間単価に2,220円の差が生まれます。時間単価が極端に低い場合は、施術時間の見直しやお客様の数が増やせるように策を講じましょう。
全国のエステサロンの平均客単価
それではここで、全国のエステサロンの平均客単価をみてみましょう。
- フェイシャル:7,055円
- ボディ/痩身:7,566円
- 脱毛:8,882円
なお今回はホットペッパービューティーアカデミーが発表している「15~69歳男女の美容サロン利用実態」よりデータを取得しています。
フェイシャルエステの平均単価
ホットペッパービューティーアカデミーによると、2022年上期のフェイシャルエステ客単価は1回あたり「7,055円」とのことです。フェイシャルエステの料金相場は60分5,000~1万円とされているため、今回の調査結果はおおよそ相場通りの金額であることがわかります。
フェイシャルはボディ/痩身と比較するとやや客単価が低い傾向にありますが、その分店販購入率が高く、同調査によると26.9%の女性が過去1年に店販購入をしています。過去1年の店販購入総額は平均3万1,556円で、施術に加えて店販で利益を上げているサロンが多いと推測できます。
ボディ/痩身エステの平均単価
2022年上期における、全国のエステサロンのボディ/痩身の客単価は1回あたり「7,566円」でした(ホットペッパービューティーアカデミー調べ)。
ボディエステの相場はリラクゼーションで8,000~1万円、痩身で1~3万円ほどといわれており、今回の調査では相場を大きく下回る結果となりました。要因としては、価格帯の異なる「ボディ(リラクゼーション)」と「痩身」の平均を取っていることが考えられますが、いずれにせよ客単価としては低めといえます。
ただ、ホットペッパービューティーアカデミーが2020年に発表している「エステサロンに関する意識・実態調査報告書」では、痩身エステを利用している女性のコース総額は平均11万8,583円、コースの回数は平均5.8回とされていることから、痩身エステに限定した客単価は20,445円と計算できます。
ボディエステにおいては、リラクゼーションの施術を提供するか、痩身エステの施術を提供するかで客単価は大きく変動するでしょう。
脱毛の平均単価
2022年上期における、全国のエステサロン(脱毛サロン)の脱毛の客単価は1回あたり「8,882円」でした(ホットペッパービューティーアカデミー調べ)。
脱毛の相場は8,000~12,000円とされており、今回の調査結果はおおよそ相場通りであることがわかります。
脱毛の特徴は、10~20代の平均単価が他の世代と比較して高い点です。15~19歳の平均単価は9,565円、20代は10,044円と、毎回1万円近い客単価となっていることがわかります。
また過去1年間に施術を受けた部位を尋ねる質問では、「ワキ」「ヒザ下」「Vライン」などの施術部位は前年から減少しているものの、「全身」は増加傾向にありました。脱毛の客単価を上げるなら、10~20代向けの全身脱毛を強化することが有効と考えられます。
エステサロンで客単価が上がらない理由
エステサロンで客単価が上がらない理由は以下の通りです。
- メニューの価格設定が適切ではない
- サービス内容で他店との差別化ができていない
- リピーター顧客の集客ができていない
それぞれ詳しく紹介します。
メニューの価格設定が適切ではない
エステサロンで客単価が上がらない理由のひとつに、価格設定が適切ではないことが挙げられます。
「近隣のエステサロンが低価格だから」「競合店より価格が高いから」このような理由で、安易に値下げを決めるのは危険です。近隣のエステサロンや競合店と価格の安さで差別化を図ると、客単価は上がらずエステサロンの長期的な経営は難しくなります。
周囲のエステサロンや競合店に合わせた価格設定ではなく、提供するサービスに見合った価格に設定しましょう。
お客様は価格が安いからといってエステサロンを利用するわけではありません。高品質な技術やサービスが受けられるエステサロンであれば、値段にかかわらず納得して来店してくれます。
サービス内容で他店との差別化ができていない
サービス内容で他店との差別化が図れていないと、客単価を上げることは難しくなるでしょう。新規集客用のクーポンやお試し価格など、低額な商品の販売しかできなくなってしまうからです。
客単価を上げるためには、他店にはないどのような体験をできるのか、独自の売りポイントをお客様に伝えなくてはいけません。競合店にはない一番の売りポイントを作り、差別化を図りましょう。
たとえば「このエリアではじめて導入されたトレンドのエステ機器がある」「エリア内で一番、瘦身エステ機器の種類が豊富」このように、一番の売りポイントを一言で言い表せれば他店との差別化を図れるでしょう。
リピーター顧客の集客ができていない
リピーター顧客の集客ができていないエステサロンは、客単価が上がりません。
新規顧客の集客にかかるコストは非常に高く、リピーターを集客するよりも5倍のコストがかかると言われているからです。また新規顧客は集客コストが多くかかるうえに低単価です。そのため客数が増えても、売上や客単価は上がりにくい傾向にあります。
客単価を上げエステサロンの経営を安定させるためには「新規顧客:リピーター」の比率が、およそ「3:7」になるようにしましょう。
エステサロンの客単価を上げる方法
エステサロンの客単価を上げる方法は以下の通りです。
- コースメニューを増やす
- オプションメニューを用意する
- 物販で客単価を上げる
- 回数券販売の強化する
- キャンペーン・期間限定メニューで客単価を上げる
それぞれ詳しく紹介します。
コースメニューを増やす
コースメニューを増やすことで、エステサロンの客単価アップにつながります。「2種類のメニューをセットで購入すると、別々に受けるよりも少し安くなる」というお得感から購入されやすくなるからです。
たとえばフェイシャルエステであれば、ヘッドスパやバストケアなどとコースメニューを作ることで、購入されやすくなり客単価アップにつながります。
コースメニューを販売する際は、お客様に対して同時に受けるメリットを具体的に伝えましょう。
オプションメニューを用意する
オプションメニューを用意して、客単価アップを図りましょう。オプションメニューは利益率が高く、時間をかけることなく客単価を上げられます。
また通常メニューにオプションメニューをプラスすることで、お客様のお悩みや要望に合わせた施術内容にカスタマイズすることも可能です。
たとえば追加トリートメントやフェイシャルパックなど、お客様のお悩みや要望に柔軟に対応することで、お客様の満足度を高められるでしょう。
物販で客単価を上げる
エステサロンの客単価アップに、物販の強化は欠かせません。物販は施術時間をかけることなく、効率よく客単価を上げられるからです。
たとえば来店したお客様のうち、30%が5,000円の商品を購入したと仮定してみましょう。
- {10,000円(施術料金)×80人(客数)}÷80人(客数)=10,000円(客単価)
- {10,000円(施術料金)×80人(客数)+120,000円(物販)}÷80人(客数)=11,500円(客単価)
このように物販の売上が加わることで、客単価が1,500円も上昇します。
またお客様の悩みに合わせたホームケア商品を提案することで、顧客満足度の向上にもつながるでしょう。
回数券販売の強化する
回数券の販売を強化することで、客単価アップにつながります。都度払いでは通わなくなってしまうお客様であっても、回数券があればリピートしてくれるからです。
回数券はサービスを提供する前に、施術料金を確保できるというメリットもあります。またお客様の悩みや問題を解決する施術の計画も立てやすくなり、顧客満足度の向上にもつながるでしょう。
回数券を導入する際は、通常価格を高めに設定することで、利益が出る客単価を確保できます。
キャンペーン・期間限定メニューで客単価を上げる
季節の悩みに合わせたキャンペーンや期間限定メニューは、客単価を上げる効果があります。季節の悩みに合ったメニューは、需要が高く限定的ではあるものの大きな売上効果があるからです。
たとえば「夏の美白・シミ対策メニュー」「冬の保湿ケア」など、お客様のニーズに合わせてメニューを作りましょう。また通常メニューにはない季節限定や期間限定メニューを作ることでメニューに変化を与え、お客様がエステサロンに飽きてしまうのを防げるといったメリットもあります。
季節やイベントに合わせたキャンペーンや期間限定メニューを開発し、客単価を上げましょう。
エステサロン経営は客単価を上げて売上を安定させよう
今回は、エステサロンの客単価の重要性と全国のメニュー別平均客単価、客単価を上げる方法について紹介しました。
客単価を上げるためには他店との差別化を図り、適切な価格設定をしなくてはいけません。ターゲット層を明確にすることも、重要になってくるでしょう。
また新規顧客獲得だけではなくリピーター顧客を増やし、来店頻度をあげる施策も欠かせません。客単価をあげ、エステサロンの売上を安定させたいのであれば、実績の豊富なエステ経営コンサルタントの活用がおすすめです。
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