個人経営のエステサロンに必要な利益率はどれくらい?計算方法と利益率を上げる方法を紹介
2023年5月31日
「個人経営のエステサロンに必要な利益率はどのくらい?」
「利益率とは何?どうやって算出するの?」
一人でエステサロンを経営する方で、このような疑問をお持ちの方は多いのではないでしょうか。個人経営のエステサロンを長く存続させるためには、利益率の把握は欠かせないものです。
そこで、この記事ではエステサロンに必要な利益率の数値や計算方法、利益率の上げ方について紹介します。個人経営のエステサロンの売上をアップさせる方法についても解説しますのでぜひ最後までご覧ください。
目次
個人経営エステサロンの利益率目安は15%
個人経営エステサロンの利益率の目安は15%です。利益率とは、売上に対してどのくらいの利益が出ているのかを示す割合のことで、以下の計算式で算出します。
利益率=利益(売上-経費)÷売上×100
一般的な企業の利益率の平均値は4%程度で10%あれば優良企業と言われるなか、エステサロンの利益率は15%と高い水準にあります。この点からエステサロンは、利益を得やすいビジネスと言えるでしょう。
またエステサロンの経費の中で、もっとも多くの割合を占めるのは人件費です。ただし個人経営エステサロンであれば、雇用による人件費が発生しないため高い利益率を見込めるでしょう。
個人エステサロン経営で利益率を出す重要性
個人エステサロンを経営するうえで、売上だけではなく利益率を把握しなくてはいけません。売上の金額自体は、店舗の規模によって異なるからです。
駅前のテナントでエステティシャンが常に5名以上いるエステサロンと、自宅開業の個人エステサロンでは売上の金額は大きく異なります。また物価の高騰で、原価価格が上がっていることも考えられるでしょう。
そのため個人経営のエステサロンが儲かっているのかを判断するためには、売上の金額だけではなく利益率で判断することが大切です
たとえば異なる利益率で、得られる利益を算出してみましょう。
- サロンA(利益率)20%×(売上)100万円÷100=(利益)20万円
- サロンB(利益率)40%×(売上)100万円÷100=(利益)40万円
同じ100万円の売上の両者ですが、サロンAは20万円、Bは40万円と得られる利益に20万円の差が生まれます。もしサロンAがBと同じ40万円の利益を得ようとしたら、200万円の売上を上げなくてはいけません。
これを見てもわかるように売上の金額が多くても、経費が多くかかっていれば手元に残る資金は少なくなります。売上だけに注力するのではなく、無駄な経費を抑え、利益率を上げることが儲かるエステサロンの近道になるのです。
エステサロンの利益率の考え方
エステサロンの利益率を上げるためには、経費を抑えなくてはいけません。そのためにはどのような経費があり、何にどのくらいの経費がかかっているのかを把握し、無駄な経費は省いていきましょう。
エステサロン経営で発生するおもな経費は以下の通りです。
- 家賃
- リース代
- 人件費
- 商材費
- 水道光熱費
- 通信費
- 広告宣伝費
- 消耗品
- 各種税金
エステサロン経営の経費は2つに分類される
上述したエステサロン経営の経費は固定費と変動費の2つに分類されます。それぞれの特性について詳しく見ていきましょう。
固定費
固定費とは、その名の通り売上の増減に関係なく固定してかかる経費のことです。エステサロンを継続するために必要な経費で、固定的に発生し続けます。
たとえば、その月の売上がゼロであっても、固定費は決まった一定額の費用を支払わなくてはいけません。そのためできる限り削減しておきたい経費といえます。
固定費に該当する経費は以下の通りです。
- 家賃
- リース代
- 人件費
- 水道光熱費
- 通信費
- 各種税金
変動費
変動費とは、エステサロンの売上の増減に応じて変動する経費のことで、原材料費や消耗品、宣伝広告費などが変動費にあたります。
変動費は売り上げが増えればそれに伴い増加し、売上が下がれば減少するのです。たとえばフェイシャルの販売数が10回と100回では、必要になる原材料や消耗品の量が異なります。
施術にかかる原材料費や消耗品の仕入れ原価をどれだけ抑えられるかが、変動費の削減になるのです。ただし価格ばかりを気にして粗悪な製品を使用しているとサービスの質の低下につながります。
原材料費や消耗品のコスト削減を行うときは、提供価格の8%を目安に金額と質のバランスの取れた製品を選びましょう。
固定費と変動費を分ける理由
固定費と変動費を分けるおもな理由は3つあります。
- 正確な利益の予測を立てられる
- 効果的なコスト削減を行える
- 開業時に固定費を決める基準になる
正確な利益の予測を立てることは、個人経営のエステサロンには欠かせません。また売上が落ちたときは、効果的なコスト削減を行わなくてはならないでしょう。
さらに開業時に売上目標にあった無理のない固定費に定めていれば、赤字幅を少なくできます。
このような理由から固定費と変動費は分けて管理するようにしましょう。
エステサロンの利益率の計算方法
自宅開業と賃貸マンション開業それぞれの利益率の計算方法について詳しく解説します。
自宅開業の場合
自宅の一室で開業した場合の利益率について見ていきましょう。
借り入れはなく固定費39万円、変動費19.6万円です。この場合の営業利益率は16%です。
(利益率)16%=(利益)114,000÷(売上)700,000×100
自宅開業の場合は、固定費が抑えられるため利益率を上げやすくなりますが、開業当初は集客に費用を掛ける必要がでてくるでしょう。
項目 | 金額 |
売上 | 700,000 |
固定費 | 390,000 |
変動費 | 196,000 |
営業利益 | 114,000 |
営業利益率 | 16% |
賃貸マンション開業の場合
次に賃貸マンション開業の利益率について、詳しく見ていきましょう。借り入れはなく、賃貸マンションの賃料が発生するため固定費49万円に上がります。この場合、営業利益率は23%です。
項目 | 金額 |
売上 | 1,000,000 |
固定費 | 490,000 |
変動費 | 280,000 |
営業利益率 | 23% |
ここで売上が70万円まで下がったとしましょう。変動費は売上にともない低下しますが、固定費は変わりません。利益率は3%まで落ち込みます。
- (売上)700,000円-((固定費)490,000円+(変動費)189,000円))=(利益)21,000円
- (利益率)3%=(利益)21,000円÷(売上)700,000円×100
さらに売上が60万円まで下がると、利益どころか赤字に落ち込み、固定費の給与を削減しなくてはいけません。
個人経営のエステサロンで利益率を上げる方法
個人経営のエステサロンで利益率を上げる、おもな方法は以下の通りです。
- 経費を抑える
- 売上を上げる
それぞれの方法について詳しく紹介します。
利益率を上げる方法①経費を抑える
利益率を上げるためには経費を抑える方法が効果的です。
経費を抑える方法は、「固定費を抑える」「変動費を抑える」の2つがあります。
固定費の抑え方
個人経営のエステサロンで固定費を抑える方法は、自身の給与を削る以外は容易ではありません。
家賃やエステ機器のリース代は、一度契約してしまうと変更することは困難だからです。初期費用を抑えるためにも開業時に、高額なテナントやエステ機器のリースは控え、固定費を抑えましょう。
また通信費や水道光熱費のプランを見直すといった方法も挙げられます。大きな経費削減は期待できませんが、手軽に行えるので積極的に取り組みましょう。
変動費の抑え方
エステサロンは、施術に使う化粧品やコットン、紙ショーツなど多くの消耗品があります。一つひとつは数円から数百円と微々たる金額ですが、積もり積もるとその費用は膨大です。
施術にかかる材料費や消耗品は、化粧品からサービスで出すお茶まで細かく計算し管理する必要があります。
メニューの提供金額に対し原価が8%以内になるように材料費や消耗品の費用を見直し、変動費を削減しましょう。
利益率を上げる方法②売上を上げる
利益率を上げるためには、経費削減と売上増加の両立が求められます。エステサロンで売上を上げるおもな方法は以下の通りです。
- 新規顧客を増やす
- リピート率を上げる
- 客単価を上げる
- 物販に力を入れる
それぞれ詳しく紹介します。
新規顧客を増やす
売上をあげるためには、新規顧客を増やす必要があります。新規顧客を増やさなければ、売上を上げ利益を出すことは難しくなってしまうからです。売上目標の10%程度の広告宣伝費をかけ、新規顧客を集客しましょう。
個人エステサロンに適したおもな集客方法は以下の通りです。
- ホームページの開設
- ポータルサイトへの掲載
- SNS(Instagram・Twitterなど)
- Web広告
- チラシ・フリーペーパー
これらの集客方法のなかから、ターゲット層や立地、エステサロンのコンセプトにあった集客方法を選定しましょう。
リピート率を上げる
エステサロンの売上や利益率を上げ、経営を安定させるためにはリピート率を上げることが大切です。リピート率が上がれば、新規顧客を集客するためにかかる費用を抑えられ、客単価は上がり安定した売上を得られます。
個人経営のエステサロンで安定した売上を上げるためには、70〜80%のリピート率が必要とされています。顧客の満足度を向上させ、リピート率を上げましょう。
リピート率を上げるために有効な方法は以下の通りです。
- ポイントカードやメンバーズカードの発行
- 「LINE公式アカウント」を利用したDM送付
- SNSを活用した顧客とのコミュニケーション
- ネット予約機能の整備
- ターゲット層が求める最新の技術や機器の導入
客単価を上げる
エステサロンの売上を上げるためには、客単価を上げることが重要です。エステサロンはマンツーマンでサービスを提供する特性上、一日に施術できる人数に限りがあります。
そのため客単価を上げなければ、売上を上げることが難しくなってしまうのです。
適切な価格に設定したうえで、客単価を上げるメニューを作りましょう。客単価を上げるおもな方法は以下の通りです。
- セットメニューを作りお得感を演出する
- 顧客のニーズにあったオプションメニューを用意する
- 季節の悩みに合わせた限定メニューを開発する
物販に力を入れる
物販に力を入れ、売上の安定化を図りましょう。物販は、エステサロンの売上をあげるためには欠かせません。経済産業省の発表するデータ「エステティック業の概況」によるとエステサロンの売上のうち物販が占める割合は、33.7%と高い水準にあります。
売上の約30%とは、月の売上が100万円だとするとおよそ30万円を物販から得られるのです。
また新型コロナウィルスの影響からホームケアの意識が高まり、スキンケア商品の売上は年々増加傾向にあります。今後ますますの売上増加が見込まれるでしょう。
物販は、時間を取られることなく客単価を上げられ、お客様の満足度を高められるといった効果もあります。顧客のニーズにあった商品を選定し、エステサロンの魅力向上につなげましょう。
個人経営エステサロンが儲かるには売上アップとコスト管理が鍵
個人経営エステサロンで儲かるには売上アップだけではなく、利益率やコストなどさまざまな数値の管理が必要です。とくに利益に直結する利益率の把握は欠かせません。
常に売上に対して、適正な経費になっているか、利益率は下がっていないかを確認し、改善していきましょう。また開業時には、資金計画を立て無理のない家賃やリース代の費用を算出しなくてはなりません。
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