自宅サロンの開業・経営で失敗する6つの理由|廃業率や成功のポイントも解説
2023年6月2日
「自宅サロンを開業したいが、失敗しないか不安」
「サロン開業を成功させるためにできることは何?」
このようなお悩みや疑問はありませんか?
自宅サロンは開業が簡単な一方、廃業率が高いビジネスとして知られています。安定した経営を続けるためには、失敗の理由や事例を知り、対策を講じることが必要となるでしょう。
そこで今回は自宅サロン開業で失敗する理由や具体的な失敗例、成功のポイントについて紹介します。
自宅サロンを開業しようと考えている方は、ぜひ最後までご覧ください。
目次
自宅サロン開業の現状と廃業率
手軽に始められる自宅サロン。開業のハードルが低いことで、主婦でも開業を目指す人が増えています。
しかし実際にサロン経営は、うまくいくものなのでしょうか?エステサロン経営の現状や売上目安について解説します。
エステサロンの廃業率は1年で60%、3年で90%
エステサロンにおける廃業率は非常に高く、開業から3年でおよそ90%がお店をたたんでいると言われています。気軽に開業できる一方で、継続して営業を続けるのが難しい業界です。
近年では特にコロナ禍ということもあり、以前にも増して経営が厳しくなっています。
株式会社東京商工リサーチの調べによると、エステティック業の倒産は2022年8月から7ヶ月連続で増加。特に従業員数の少ないサロンの倒産件数が多く、小・零細規模が大半をしめているとのことでした。
自治体の創業支援事業により、個人でも手軽にエステサロンを開業できるようになりましたが、苦戦している店舗も多いようです。
自宅エステサロンの売上目安は月100万円
自宅サロンにおける売上調査データは存在しませんが、一般的なエステサロンでは、ベッド1台あたりの売上が月に約100万円と言われています。
つまり1ヶ月で22日間営業する場合、1日あたりの売上目標は約4万5,500円です。また1日あたり4人の来客を仮定すると、1人あたりの売上目標は約1万1,400円となります。(※あくまでも一例です)
ベッド一台あたりの月の売り上げが100万円以下の場合は、経営方法を見直したほうがよいかもしれません。エステサロンは機器の導入費や維持費などコストが高額となるため、100万円以下の売上だと安定した経営が難しくなります。
ただし営業方法や立地など、さまざまな要因によって異なるため、サロンに合った条件で売上目安を設定しましょう。
自宅サロン開業で失敗する6つの理由
自宅サロン開業において失敗する理由を6つ紹介します。
- 生活感が表れている
- 価格設定が正しくない
- 集客ができていない
- コンセプトがあいまいになっている
- 自宅サロンを趣味の延長線上で経営している
- 公開している自宅サロンの情報量が少ない
①生活感が表れている
エステサロンに「生活感」は不要です。なぜならお客様は非日常の空間で、心身共に癒されたいと思って来店しているからです。
たとえば施術中に料理のにおいやトイレの流れる音がすると、せっかくのリラックス気分が台無しになってしまいます。生活感のあるエステサロンは、お客様をがっかりさせてしまい、二度と来店してもらえなくなる可能性も。
結果的にリピート率が下がり、口コミ等に悪影響を与えるおそれもあります。
自宅サロンでは清潔感や香り、音にも注意し、お客様が心地よく過ごせる雰囲気を作り上げましょう。
②価格設定が正しくない
価格設定が合っていないと、失敗の要因になります。
安いクーポンの発行や、期間限定で安いメニューを提供するサロンもありますが、自宅サロン経営においてはデメリットが多い施策と言えます。価格を安くしないとお客様が来なくなり、リピーターがつきにくくなるからです。
リピーターがつかなくなる以外にも、安すぎることでお客様に「技術が低いサロンかも」「使用している機器は安全なの?」などと不安を抱かせてしまうおそれがあります。
とはいえ価格設定の明確な基準はないので、サロンのコンセプトに合わせて考える必要があります。価格の設定方法がよくわからない場合は、売上目標から逆算して単価を設定するとよいでしょう。
よほどの理由がない限り、途中で価格を引き上げてしまうと、お客様に不信感を与えてしまいます。よって、最初の料金設定は慎重に行うことが大切です。
③集客ができていない
集客ができていないことも、エステサロン開業における失敗の要因です。
集客ができなければ、サロンの魅力が伝わらず、お客様に来店していただけません。サロンの情報をできるだけ多く開示して、認知度を高める必要があります。
サロンのホームページがあればメニューや価格、口コミなどに加えて、サロンの写真や施術中の様子がわかる写真を掲載するのもおすすめです。
またターゲットに合わせた集客の方法を選ぶことも重要です。独身の20代女性をターゲットにしているのに、ファミリーが多い地域でチラシを配布しても集客効果は薄いでしょう。
情報をわかりやすく伝えるのはもちろん、届けたい相手にサロンを認知してもらう工夫が必要です。
④コンセプトがあいまいになっている
サロンのコンセプトがあいまいになっているのもよくありません。なぜならターゲット層が不明確になり、経営方針やお客様への対応方法が、ぶれてしまうからです。
コンセプトを設定する場合は「高級感のあるサロン」や「落ち着けるサロン」など、抽象的でわかりにくいものは避けましょう。
上記の場合、高級感があるからどのようなメリットがあるのか、落ち着けるサロンでどのようなサービスが提供されるのかが明確になっていません。
重要なのはどこにでもあるようなあいまいな言葉を使うのではなく、サロンコンセプトをはっきりさせること。できるだけ具体的で、わかりやすい内容にすることが大切です。
⑤自宅サロンを趣味の延長線上で経営している
趣味からエステサロンを経営する方もいらっしゃるかもしれませんが、長期的な売上拡大のためには、経営者としての視点が欠かせません。
趣味感覚で経営を続けていると、集客や売上が伸びず、収入もお小遣い程度にとどまってしまう可能性が高いでしょう。そうならないためにも、売上目標を明確にし、事業計画を立てることが重要です。
個人事業主に事業計画書の作成は義務付けられていませんが、目的達成のための行動が明確になり、資金繰りの把握も可能になるなどのメリットがあります。またサロンの強みだけでなく、事業の改善点が見つかることもあるのでおすすめです。
⑥公開している自宅サロンの情報量が少ない
自宅サロンの情報が少ないと、お客様側としては、不安を感じてしまうことがあります。
自宅の住所や電話番号などの個人情報を公開することに、戸惑うオーナーもいるでしょう。特に小さなお子様がいる場合は、より一層不安を感じるかもしれません。
しかしお客様の立場に立って考えると、情報が豊富なサロンの方が安心して通えるのではないでしょうか。エステサロンに行く目的はリラックスすることですから、不安な気持ちを抱えて情報が不明瞭な自宅サロンを、わざわざ選ぶことはありません。
自宅エステを開業するなら、少なくとも以下の情報は開示しておくことをおすすめします。
- サロンの住所
- アクセス方法
- 電話番号やメールアドレス
- サロンの写真(外観、施術中など)
- オーナーの写真やプロフィール
自宅サロン開業の失敗例に学ぼう
自宅サロン開業の失敗例はどのようなものがあるのでしょうか。ここでは以下の3つのケースを紹介します。
- 失敗例(1)大手サロンのまねをして失敗
- 失敗例(2)カウンセリング技術が足りず失敗
- 失敗例(3)価格設定を下げすぎて失敗
失敗例(1)大手サロンのまねをして失敗
一つ目の失敗例は、個人エステサロンが大手サロンの経営方法をまねて失敗した例です。
たとえば大手サロンが導入していた高額な機器や施術方法をまねると、高額な投資を必要とするため、利益が上がらなくなります。
また大手サロンとの差別化ができないので、顧客獲得にも失敗するおそれがあります。
大手サロンと個人の自宅サロンではターゲットやコンセプト、資本金や集客方法など経営方法が異なるため、やり方をまねしただけではうまくいきません。
反対に、お客様に寄り添ったきめ細やかな対応ができるなど、個人サロンには個人サロンの強みがあります。大手をまねするのではなく、個人にしかできない強みを見つけることが大切です。
失敗例(2)カウンセリング技術が足りず失敗
二つ目はカウンセリングがうまくできず、失敗した例です。エステ技術が高くても、悩みや要望を正確に聞き取れなければ、お客様に満足していただけません。
カウンセリングがうまくいかないとお客様の希望を理解できず、思ったような施術を提供できません。結果的にお客様のエステサロンに対する満足度が低くなり、二度と利用してもらえなくなる可能性もあります。
カウンセリングでは、お客様がなりたいイメージや悩みを把握することが必要です。お客様に安心してもらうためには、目を見て笑顔で話を聞きましょう。そして要望を深掘りして、具体的な悩みを聞き出すことがポイントです。
具体的な悩みを聞くことで、お客様のニーズに合わせた施術が可能になります。お客様に満足してもらえれば、リピーターになる可能性が高くなり、経営の安定にもつながります。
まずはカウンセリングでお客様に安心感を与え、信頼関係を築くことが大切です。
失敗例(3)価格設定を下げすぎて失敗
三つ目はメニューの価格設定を下げすぎて失敗した例です。
確かに価格を下げることで、一時的にお客様が増えるかもしれません。しかし価格競争に巻き込まれると、さらに値下げしなければならなくなり、思ったように売上が伸びなくなることも予想されます。
また価格の安さを売りにしてしまうと、リピーターがつきにくくなるデメリットもあります。さらに安いサロンが出現すれば、お客様はそちらの方へ流れてしまうでしょう。
自宅サロンの場合は価格競争で勝つために価格を下げるのではなく、「ここでしか経験できない価値」を提供することのほうが大切です。
一度下げた価格を値上げすることは難しいため、価格を下げるよりもお客様の満足度を高めることに注力しましょう。
自宅サロンの開業を成功させるために気をつけること
自宅サロンの開業を成功させるために気を付けることを、5つ紹介します。
- 経営者としての目線を忘れないようにする
- リピーターを大切にする
- 自宅サロンのPR・集客にも力を入れる
- 他サロンとの差別化を図る
- エステコンサルやセミナーに参加する
経営者としての目線を忘れないようにする
自宅サロンを開業したオーナーは、エステティシャンとしての技術力だけでなく、経営者としての知識や心構えも必要です。
具体的には利益や客数などの「数字」を注視し、収支に気を配る必要があります。経営を軌道にのせ、長期的にサロン営業を続けるためには、常にお金の流れを把握することが不可欠です。
そのため、オーナーは経営の学習が欠かせません。経営について学ぶ方法としては、以下のものがあります。
- 独学する
- セミナーを受ける
- 専門学校で学ぶ
オーナーになると、経営者目線でサロン運営を進める必要があります。これまでサロンで労働者として働いていた方も、自宅サロンを開業させる際は、経営者としての視点を忘れないようにしましょう。
リピーターを大切にする
自宅サロンの経営において、リピーターの獲得は重要な課題です。リピーターが増えれば経営が安定し、収益にもつながるからです。
またリピーターがつけば広告費用を抑えられるため、利益率も上がります。
リピーターを獲得するには、お客様に満足していただくことが最重要です。そのためには悩みに共感するためのカウンセリング技術、悩みに合った適切な提案・施術が欠かせません。
また以下のような方法で、リピート率の引き上げ効果も期待できます。
- LINEなどを使って、予約を取りやすくする
- ポイントカードを発行し、ポイントを貯めることでメリットが得られる仕組みを作る
- DMでサロンをアピールし、特別感を感じてもらう
サロン経営の安定に、リピーターの存在は必須です。開業して新規顧客が獲得できたら、2回目3回目の来店をしてもらう策を打ち出し、リピート率アップを目指しましょう。
自宅サロンのPR・集客にも力を入れる
PRや集客も、自宅サロンを成功させるうえで重要です。どれだけ優れた施術ができでも、お客様に認知されないとサロンへ来店してもらえないからです。
サロンの集客方法には、オフラインとオンラインの2種類があります。それぞれの具体的な方法は以下のとおりです。
集客方法 | 具体的な集客方法例 |
オンライン |
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オフライン |
|
オンライン集客はコストを抑えられる、オフライン集客はエステの興味が薄い潜在層にも届けられるメリットがあります。サロンの目的や予算、ターゲット等に応じた集客を行いましょう。
他サロンとの差別化を図る
自宅サロンがサロン競争で勝ち抜くためには、他のサロンにはない価値を提供することが大切です。
もし他のサロンと同じサービスしか提供できなければ、お客様はわざわざ自宅サロンに来ることはなく、安くて安心できる大手サロンを選ぶことになるでしょう。
差別化を図るためには、サロンのコンセプトを明確にし、お客様ニーズの把握が必要です。どのようなサロンにして、お客様にどのような体験を提供したいのか、どのように施術するのかを決めることが重要です。
その際に、競合リサーチやお客様アンケートをとるのも有効です。お客様の心をガッチリつかむような「サロンの売り」となる差別化を図りましょう。
エステサロン経営のコンサルティングやセミナーを受ける
自宅サロンを成功させたいなら、コンサルティングやセミナーを受けるのも一つの方法です。経営のプロがサロンの状況に合わせて適切なアドバイスをしてくれます。
なお自分のサロンに合ったコンサルティングを選ぶには、以下のポイントを押さえる必要があります。
- サロンのコンセプトを明確にしてから依頼する
- 実績豊富なコンサルティング会社に依頼する
- エステに特化したコンサルティング会社を選ぶ
- 口コミや満足度の高い会社を選ぶ
またセミナーへの参加もおすすめです。セミナーは学びを得られるだけでなく、トレンドの情報が手に入り、人脈が広がるなどのメリットがあります。
なおb-modelsでは、以下の4種類のコンサルティングメニューを用意しております。
- 集客コンサルティング
- 採用/人事教育コンサルティング
- 契約率UPコンサルティング
- 出店/ビジネス開発コンサルティング
またセミナーはエステ経営を成功に導く実践的な内容となっており、参加者の方から好評をいただいております。
コンサルティングの初回相談やセミナーの参加費用は無料ですので、自宅サロン経営を成功させたいとお考えの方は、ぜひお問い合わせください。
自宅サロン開業で失敗しないためには経営の知識が必須
自宅サロンの開業・経営で失敗する理由や成功のポイントについて紹介しました。
エステサロンは廃業率が高く、継続が難しい業界です。エステティックの技術以外にも経営者としての知識が求められます。
自宅サロン開業で失敗しないためには「エステティシャン兼経営者」としてお客様と向き合い、サロンの差別化を図ることが大切です。
これから自宅サロンを開業する予定の方は、今回紹介した失敗例を参考にして、サロンの成功を目指してください。
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