自宅エステサロンを開業するには?失敗しないためのポイントも解説
2023年7月3日
興味のある美容や健康を仕事にして、より自分を表現したいと考えている方。あるいは自分の時間を自由にコントロールし、自宅で仕事をしたいと考えている方。自宅でエステサロンを開業することで、その願望を叶えられる可能性があります。
この記事ではエステサロン開業のメリットや注意点、開業の方法について解説します。失敗しないコツについても紹介するので、自宅でエステサロンを開業したいと考えている方はぜひ最後までご覧ください。
目次
自宅でのエステサロン開業のメリット
自宅でのエステサロン開業のメリットは次の二つです。
- 時間の管理がしやすい
- コスト削減も可能
まず思い浮かぶのが「自由な時間の管理」です。エステサロンを自宅で開業すれば、自分の都合に合わせて営業時間を設定できます。たとえば子供の送り迎えや家事と並行して仕事をすることも可能です。このような柔軟な働き方は、通常のフルタイムの仕事では難しいことでしょう。また店舗を借りるとどうしても家との往復に時間がかかるため、時間に制限が出てきてしまいます。その点自宅でのサロン開業は子育てや家事と両立しやすいといえるでしょう。
また自宅でビジネスをするということは「コスト削減」にもつながります。店舗の家賃や通勤費用といった出費を抑えられるため、エステサロン維持にかかる費用を抑えることが可能です。もちろん店舗を借りるためにかかる相応の初期費用が節約できるメリットも見逃せません。
自宅でのエステサロン開業の注意点
自宅でのエステサロン開業にはメリットもある一方で、注意すべき点もあります。
- プライバシーへの懸念
- スペースの確保
- 清潔さの維持
自宅でエステサロンを運営する場合、プライバシーの確保が重要となります。サロンのエリアと私生活のエリアを明確に分けることでプライバシーを担保し、顧客に自宅サロンのネガティブな印象を与えることを避けられます。
また自宅サロンを行う上では施術場所だけでなく、地域によっては駐車スペースの確保も必要となります。これらの条件を満たさない場合は、自宅でのエステサロンは厳しいかもしれません。
またエステサロンは常に一定の清潔さを保っておく必要があります。生活空間が入り混じるため疎かになりやすい部分ですが、日々の清掃と消毒を怠らず、顧客が快適に過ごせる環境を維持しましょう。
自宅でエステサロンを開業するための5ステップ
ここからは自宅でエステサロンを開業するための具体的な手順は以下の通りです。
- サロンのコンセプトを決定する
- 必要な資格と開業手続きについて把握する
- エステサロンの開業に必要な設備と備品を知る
- 開業費用を知り、資金調達を行う
- 集客を行う
サロンのコンセプト決定
最初に自分のエステサロンのコンセプトを決めます。あなたの運営するサロンの特徴を明確にし、自分自身のビジョンを明確にするためです。ここではどんな施術を提供するのか、どんなお客様をターゲットにするのか、サロンの雰囲気や価格帯などを考えます。
たとえばあなたが自然療法に特化したサロンを開くと決めた場合、アロマテラピー、ハーブティー、自然素材のスキンケア製品などを取り扱うことになるでしょう。またターゲットは健康志向の高い女性になるかもしれません。この場合であればサロンの内装は、自然の要素を取り入れた落ち着いた雰囲気にすることが考えられます。
このようにサロンのコンセプトを決めることで、他に決めるべきことや次に何をすべきかが明確になるのです。
必要な資格と手続きを把握する
次は自宅でエステサロンを開業する上で必要な資格や手続きについて把握しましょう。
必要な資格について
まずエステティシャンとして活動する上では、特定の資格は必須ではありません。ただエステティック関連の資格を取得すると顧客からの信頼を獲得する上での材料になるので、余裕があれば取るようにしておきましょう。日本では、日本エステティック協会や日本エステティック振興協会などが資格を提供しています。
また特定の施術を行うためには、それに対応した資格が必要となる場合もあります。たとえばアロマテラピーの施術を提供する場合、アロマテラピストの資格が必要となります。必要な資格は、提供する施術やサービスにより異なるため、自分のサロンのコンセプトに合わせて必要な資格を調べてみましょう。
関連記事:エステサロンの開業に資格は不要|あると有利な資格と費用を解説
開業に必要な手続き
またエステサロン開業の際に必要な申請としては基本的には開業届のみであり、保健所などへの申請は不要です。ただ国家資格が必要なエステの施術をする場合、保健所への申請が必要です。申請する場合は、サロンを開設する地域を管轄する保健所へ「美容所開業届書」を提出しましょう。提出は開業日の1〜2週間前に行います。申請が必要なエステサロンの例は以下の通りです。
- 「まつ毛エクステンションサロン
- 脱毛サロン
- ブライダルエステ
関連記事:エステサロンの営業に必要な許可とは?|手続き方法もわかりやすく解説
また自宅でサロンを開く場合、賃貸であれば契約違反となる可能性があるため、管理会社の許可が必要になります。また住宅の建っている地域によっては出店が制限される場合もあるので、事前に用途地域についての自治体などへの確認が必要です。
エステサロンの開業に必要な設備と備品を知る
エステサロン開業には必要な備品や設備がたくさんあります。ここではその一部を紹介します。
必要な設備と機材
エステサロンの開業にあたり、必要となる設備や機材は以下のようなものが考えられます。
- 施術用ベッド:エステサロンにとって中心となる設備です。お客様がリラックスして施術を受けられるように、快適さを重視した選び方が重要です。またベッドは様々な施術に対応したものだと、当初は考えていなかったメニューを追加した際にも対応可能なのでおすすめです
- エステ機器:顔のエステには、肌のクレンジングや保湿、エイジングケアなどに使う機器があります。それぞれの施術に適した機器を選ぶことが大切です
- 照明:リラクゼーション効果を高めるためにも、明るすぎず暗すぎない、適度な明るさの照明を選びましょう。調節可能であると、後々メニューを増やした時に柔軟に変更ができて便利です
- 音響設備:自然音やリラクゼーションミュージックを流すための音響設備も必要です。自宅サロンの場合、大掛かりなものではなく、ポータブルBluetoothスピーカーから始めるようなサロンもあります
エステ機器とその費用
エステ機器の種類とその費用について詳しく見ていきましょう。
- 蒸しタオルウォーマー:タオルを温めるための機器で、価格は大体1万円から3万円程度です。
- スチーマー:フェイシャルエステでは必須の機器で、肌を柔らかくし毛穴を開く効果があります。価格は3万円から10万円程度です。
- 高周波機器:肌の深部まで熱を送り込み、肌のハリや弾力をアップさせる役割があります。価格は10万円から30万円程度です。
- 美顔器:美顔効果のある様々な機能が一体となった機器で、価格は5万円から20万円程度です。
以上が一部のエステ機器とその費用ですが、最終的な費用は自分のサロンのコンセプトや提供するメニューにより変動します。
初期投資を抑えつつ必要な機器をそろえることが求められる場面ですが、あまり安いものに絞って考えるのも考えもの。多少値は張っても様々な施術に対応したマシンを選ぶ方が、スペースの問題で後々後悔しない場合も多いです。ただでさえスペースに制限が出やすい自宅エステサロンなので、マシンについてはよく考えて購入しましょう。
ちなみにb-modelsではエステ機器の販売も行っています。機器の選び方についても解説しているので、ぜひ参考にしましょう。
参考ページ:初めての方へ
参考ページ:b-modelsが選ばれる理由
参考記事:【2023年最新】人気の業務用エステ機器おすすめ5選|サロン向けマシンの種類と選び方を解説
開業費用を知り、資金調達を行う
設備費用以外にも、エステサロンの開業には多くの費用がかかります。ここでは開業にかかる費用について解説し、資金調達の方法について紹介します。
開業にかかる費用の詳細
自宅エステサロンの開業には、さまざまな費用が発生します。以下に主なものを挙げます。
- 設備投資費:上述の施術用ベッドやエステ機器などがこれにあたります
- 改装費:自宅の一部をエステサロンにするための改装費用です。プライバシーを確保するための間仕切り設置や、エステ用スペースの造作などが必要の場合はこの費用がかかります
- 初期在庫費:使用する化粧品やタオルなどの初期在庫費用も忘れてはなりません
- 広告宣伝費:開業時のチラシ作成やWebサイト構築など、集客に関わる初期投資です
- 光熱費:電気や水道など、サロンを行うことで増える光熱費も計算に入れておきましょう
- 保険料:万が一の事故に備えるための賠償責任保険も必要です
これらを踏まえると、自宅サロンの場合どれだけ安くても30万円を切ることはないと考えておきましょう。下記の記事では必要な資金に加え、開業資金を抑える方法や資金に関するよくある質問についても解説されているので、開業資金に悩みのある方はぜひ参考にしましょう。
関連記事:エステサロンの開業資金はいくら必要?金額や調達方法を詳しく解説
資金調達方法
こうした費用をどのように調達するかは、開業における重要な問題です。蓄えた貯金を使う、親族から借りる、銀行から融資を受けるなど方法は様々です。
また国や地方自治体の補助金や助成金制度を活用することも可能です。それぞれの方法にはメリットとデメリットがあるため、自分の状況に合った最適な方法を選びましょう。
なお下記の記事では助成金と補助金、融資の違いやエステサロン開業時や開業後に使える助成金についてまとめているので、資金調達方法に疑問がある方はぜひご覧ください。
関連記事:エステサロンの開業で使える助成金7選|補助金・融資や事業計画書の書き方も解説
資金調達が完了すれば、ここで紹介した設備や備品などの調達を行い、自宅の内装リフォームなど準備を進めていきましょう。
集客を行う
設備や備品の調達、内装リフォームと並行して、集客を行ないましょう。お客様が自宅エステサロンを知るためには、広告活動が必要となります。
自宅エステサロンの集客においては、まず自分のサロンが何を提供し、どのようなお客様をターゲットにしているのか明確にすることが重要です。たとえばエイジングケアに特化したサロンであれば、その年代の女性をターゲットにした集客活動を考える必要があります。具体的な戦略としては次のとおりです。
- WebサイトやSNSを活用する:自宅エステサロンの情報を発信するためのWebサイトやSNSは、広告費を抑えつつ多くの人に情報を伝えることが可能です。WebサイトやSNSは定期的に情報更新を行い、見ている人が新しい情報を得られるようにすることが重要です。またホットペッパービューティーやエキテンなどのポータルサイトも、使い方によっては有効な集客手段となります
- フライヤーやチラシを配布する:地域のスーパーや公共施設などにチラシを置いておくことで、近所の人々に自宅エステサロンの存在を知らせることができます。また広告料がかかるものの、地方紙に掲載してもらうのも地方によっては有効です
- 口コミや紹介してもらう:一人でも多くのお客様に満足してもらい、その方々からの口コミや紹介で新たなお客様を得ることも重要な手法です
なお下記の記事ではエステサロンの集客が失敗する理由や新規顧客の獲得方法、リピート施策までを詳細に解説しています。
関連記事:エステサロンの集客方法12種類を解説!集客のコツや失敗の理由についても
エステサロンが供給過剰気味な現代、エステサロンを開業するだけではなかなかお客さんは来ません。ぜひこの記事を参考にしましょう。
またエステサロンのチラシ集客については、下記の記事でも詳細に解説しています。
関連記事:エステサロンのチラシ集客を成功させるには?無料で使えるテンプレートサイトも紹介
自宅エステサロン開業の成功事例と失敗しないコツ5選
自宅でエステサロンを開業すると決めたものの、「本当に成功するのだろうか?」と不安を抱えている方も多いでしょう。しかし、成功した人たちは存在します。その秘訣は何でしょうか?
自宅で成功したエステサロンの事例紹介
ここでは自宅でエステサロンを開業し、成功を収めた一人である美香さん(仮名)の事例をご紹介します。
美香さんは東京都内の自宅でフェイシャルエステサロンを開業しました。彼女が成功を収めるまでには、下記の通りのいくつかの工夫がありました。
- 差別化:美香さんは、オーガニック化粧品にこだわることで他のエステサロンと差別化を図りました。また自宅の一室を改装し、落ち着いた雰囲気の空間を作り出すことで、お客様からの評判を高めました
- SNS活用:SNSを上手く活用して顧客とのコミュニケーションを取り、サロンの情報やビフォーアフターの写真を定期的に投稿しました。これにより、信頼感と共感を得て新規顧客を獲得しました
- 顧客サービス:顧客一人ひとりに丁寧なカウンセリングとアフターケアを提供し、長期的なリピート顧客を増やしました
- 最新情報のキャッチアップ:美香さんは技術の向上のために定期的にb-modelsの勉強会に参加し、最新の美容情報を常にキャッチアップしています。勉強会により常に新しい情報を提供し、顧客の信頼を獲得しました
このように自宅で成功するためには、一貫したコンセプト設計と発信、そしてコンセプト通りのサービス提供が大事になります。また美容業界は常に新しい技術や成分が発見されており、最新情報へのキャッチアップも欠かせません。
下記の記事でも(ベテラン自宅サロンオーナー様ではありますが)成功事例を紹介していますので、ぜひ参考にしましょう。
関連記事:自宅サロンの成功事例と収入の現実|開業の失敗パターンと成功のポイントも解説
自宅エステサロン開業で失敗しやすい人の共通点
自宅サロンで失敗しやすい人の共通点として次の5つが挙げられます。
- 店舗へのアクセス方法がわかりにくい
- 大手と差別化できず自分の強みを発揮できなかった
- 技術の向上にばかり目が行ってサロン経営に失敗した
- 口コミで広まると信じて集客にお金をかけなかった
- 価格を下げすぎてしまった
店舗へのアクセス方法がわかりにくい
自宅エステサロンの場合、立地条件は重要な要素となります。しかし同じくらい重要なのがその場所へのアクセス方法の明確さです。お客さんが迷わずに到着できるように、公共交通機関の情報や周辺地図、具体的な道順を示すことが重要です。
Google Mapsのリンクを利用したり、周辺のランドマークを示したりするとわかりやすいでしょう。たとえば、最寄りの駅からサロンまでの写真つきのルート案内を作る、あるいは周辺の大きな目印(例:〇〇公園の近く)を示すなどです。
大手と差別化できず自分の強みを発揮できなかった
自宅エステサロン開業時には、自分の強みや個性を活かし、大手サロンとの差別化を図ることが大切です。顔出しやスキル、特別なサービスなど独自性を持つことで、顧客の心を掴むことが可能になります。しかし、自分の強みを発揮できず、大手と同じサービスを提供するだけでは、顧客は価格やブランド力で有利な大手を選ぶ可能性が高いです。
基本的に大手は回転率を重視する企業が多いため、顧客との一対一の時間を大切にし、パーソナライズしたサービスを提供することでも大きな強みとなります。
技術の向上にばかり目が行ってサロン経営に失敗した
技術力はエステサロンの品質を保証する重要な要素ですが、それだけに目を向けてしまうと経営面を見落とすことがあります。経営とは、財務管理、顧客管理、広告やマーケティング戦略など、多岐にわたる活動を含みます。これらをバランス良く進めることで、長期的に安定した経営を続けることが可能になります。
経営に必要な知識を身につけるためにセミナーや講座に参加する、専門の書籍を読むなど積極的な勉強の機会を作る必要があります。また経営コンサルタントや会計士など専門家の助けを借りることも一つの方法です。経営と技術の両方に目を向けることで、サロン経営はより安定します。
口コミで広まると信じて集客にお金をかけなかった
口コミは非常に強力な広告手段であり、顧客獲得の大きな要素になります。しかし、それだけに頼るのは危険です。
特に開業初期は、一定数のリピート顧客を獲得し、それらの顧客から口コミを広げるまでの「空白期間」があります。その期間を乗り越えるためには、自ら広告を出す、SNSで積極的に情報発信をする、地元のイベントに参加するなどの集客活動が必要となります。
価格を下げすぎてしまった
競争力を持つために価格を下げることは一見良い戦略に見えますが、それにより利益が薄くなりすぎると経営が持続できません。価格設定は、自身のサービスの価値を正確に反映し、かつ利益を上げられるようなバランスが求められます。安すぎる価格は、逆にサービスの価値を低下させ、顧客の信頼を失う可能性もあります。
価格はサービスの価値を反映するものですから、価格を適切に設定することが求められます。そのためには自分のサービスの市場価値を理解し、それを踏まえた上で、適正な利益を上げられる価格を設定することが重要です。また、サービスの価値を高めるための工夫(たとえば、高品質なオイルを使用する、アフターケアのフォローアップを行うなど)も忘れずに。
なお価格を考える上で「客単価」の概念は非常に重要になります。詳細は下記記事でご確認ください。
関連記事:エステサロンの客単価の考え方と全国の平均単価|客単価を上げる方法も解説
関連記事:エステサロンで効率よく売上アップする方法とは?集客方法や客単価を上げるコツを紹介
自宅エステサロン開業で自分らしい働き方をはじめよう
自宅でエステサロンを開業すると少ない資金で始められ、時間に自由が利きやすいメリットがありますが、開業準備には多くの考慮すべき点が多くあります。
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